4月16日に行われた
黒部市長選挙の結果を受け、
黒部市が、滑川市のような
政争の街になる可能性が出てきています。
この選挙で、どんなことが起こっていたのか?
新聞記事から様々な事実を拾って、
今後の黒部市の政治活動に
どのような遺恨が残るのか、
ぜひ聞いて下さい。
「武隈氏、僅差の勝利!」がしこりを残す
4月17日の新聞の一面トップに
「黒部市長に武隈氏」との
大見出しが躍りました。
中見出しには、
「小柳氏に736票差初当選」
とあり、僅差の勝利であったこと!
激戦であったことが載っていました。
また、関連記事には、
『官僚の実績 市民支持』
「分裂のしこり 影響懸念」
とも書かれています。
最終の選挙結果、
それぞれの得票数は、
武隈氏が、11,132票。
小柳氏が、10,396票
共に1万の大台に乗せ、
その差は、たったの736票。
新聞は、武隈氏勝利の要因を
先行きが不透明な時代に、
市民が手堅い行政運営を
選んだ結果だと考察していました。
ただ、自民分裂のしこりの解消は
容易ではなく、今後の市政や議会運営への
影響が懸念される。ともありました。
今回は、この激戦の選挙後の
勝者側、敗者側の反応を分析し、
今後の黒部市の政治について
切り込みたいと思います。
そもそもは旧黒部市VS宇奈月町!
記事にもありましたが、
敗れた小柳氏の地盤は宇奈月町(地区)です。
有権者数は全体の12%しかなく、
地理的な劣勢を覆して
勝利を手繰り寄せるほどの
うねりを起こせませんでした。
新聞での表現からも、
旧黒部市 VS 旧宇奈月町
の地域の戦いだったことが窺い知れます。
市議は、真っ二つに分かれての応援
また、現職の市議会議員は、
真っ二つに分かれて、
それぞれを応援したとのこと。
今後の市議会運営に
なにがしかの影響が出ることは必至でしょう。
さらに、県議はジタバタしている!
選挙前に黒部市連として、
どちらも支持せず自主投票とした
黒部市選出の県議の3名。
しかし、その後、宇奈月が地盤の
川上県議が同郷の小柳候補の支持を表明しまして
選対本部長に就きます。
つまり選挙の一番えらいポジションです。
さらに、もう一人の
旧黒部市が地盤の横山県議も
小柳候補と川上県議とともに、
県議会の自民会派と公明会派に
挨拶回りをしたそうです。
しかし、その直後
旧黒部市地盤の武隈氏を
支持している市議たちから猛反発を喰らい、
日和見的に翻意し、
中立を決め込みました。
中立になった横山氏が
小柳氏支持に回っていれば、
小柳氏の当選も十二分にあったと思います。
その理由は
・公明党の組織票が大きく影響した
と、あったからです。
猛反発の中身は、金がらみ!?
記事を読み進むと
武隈氏支持の市議たちが、
猛反発した行動の一つに・・・
「党県連の政経セミナーの
チケットを突き返す。」
というものがあったらしい。
結局、小柳氏を応援するんだったら、
貴方に今後一切協力しない!
と、チケットを叩き返したということらしい。
ご存知かもしれませんが、
議員はセミナーをすることで
資金を集めています。
資金源を止められると息ができなくなるので
苦しいところです。
もっとおかしい血縁関係?!
さらに、記事には、
市外の大物県議が、武隈候補支持に回った。
それは、武隈候補の選対本部長(選挙の一番えらいポジション)が
大物県議の娘婿だったからだということです。
まあ、血縁があるから、
その人の人となりもよく分かっており、
それを元に、支持・応援するのは、
決して不思議ではありません。
私の個人的な感想としては
近親者だからといって、外部から口出し手出しし、
地元の議員の動きを抑えるという行為は、
いかがなものか?と思います。
合否のカギは、組織票と公明党にあった?!
票数に再び着目してみます。
その差、736票。
新聞の分析によると、
武隈候補は、徹底的に組織票の
掘り起こしをしたそうで、
その中に、公明党票も、
あったということです。
公明党の数が、
1,000票以上あるということなので、
それが、ひっくり返っていれば、
当落の結果が簡単に変わっていたとも言えます。
結局は、公約軽視?!
勝負事は、勝たねばなりません。
なので、勝つ可能性が高まることは、
何でもする!というのが常道。
ですから、今回の武隈候補が取った戦略が、
小柳氏のそれを上回った!と言ってしまえば、
それで、お終いとなります。
ですが、組織票戦略は、楽と言えば楽。
一人一人の市民と繋がらず、
トップと繋がれば何とかなるからです。
しかし、そうなると、公約軽視の状況が
色濃く出てくると思います。
今回、新聞には、政策実行力や官僚の実績支持!
と書かれていましたが、これは騙されてはいけません。
だって、組織票で票を稼いだのですから。
結論!結局、地域間抗争?!
激しい僅差の戦いだったわけで、
選挙期間中は、熾烈な舌戦が交わされ、
当然のこと、相手陣営のマイナス面を
叩き合ったことは明白です。
さらに、歴史的に見ても続いている、
宇奈月町VS旧黒部市の戦いは、
小柳氏の選対本部長に就いていた、
川上県議も認めている所です。
となれば、次の選挙までの、
市政運営の中でも、
その遺恨が影響することが予想されます。
遺恨が市民のプラスになるかも!
しかし、遺恨の影響が、
全て悪影響かというと、
そうでもないかも?!
ということが考えられます。
議会の議論活性化が
期待できるからです。
同系統の自民党会派同士ではありますが、
富山市議会の分裂が、
好走しているように、
さまざまな意見が議会で述べられることは、
市民生活に取ってプラスと考えるからです。
民意が反映される確率が上がるということです。
根っこの地域間抗争は置いておいて!
新市長となった武隈氏は、
滑川の新市長水野氏と同様、
会話重視を謳っています。
それが、基礎基本なので、
当然と言えば当然ですが、
市長のその姿勢を
それぞれを応援した各議員にも
しっかりと持ってもらいたいと思いました。
そうでないと黒部市が、
滑川市の再来になるような気がしています。