「市民参加 どこまで?」
4月10日の新聞の政治欄の
特集記事の大見出しです。
何を扱った記事かと言うと
「富山の審議会」が、
ただの「仲良しこよしの会」に成り下がって、
本来の目的である
「市民の意見を反映していない」
のではないか?
というごもっともな内容でした。
今回は、この、何かと多投される
審議会について切り込みたいと思います。
そもそも審議会とは?
記事にもありましたが、
「地方自治体の審議会」は、
行政側(市役所や市長など)に置かれ、
要請により必要な話し合いや、
間に入って調整したり、調査したりする機関と
なっております。
さらに、最終的には、
意思決定を行う権限はなく、
市役所側や市長に
専門的な立場からの意見や考えを述べるためだけ
の機関とも述べています。
審議会は市民の味方となり行政を正す
審議会は、市役所が行うことに
・住民の意見を反映させる
・専門的な考え方や見方を反映させる
のが目的なのです。
行政にとって都合のいい応援機関かもしれない驚きの理由
市役所にとって都合のいい機関との
批判を受けることがあります。
その理由は
・市役所は正しいですよー
・市役所は間違ってませんよー
としか言わず、ひたすら後押しする
機関となっているという
市役所にとって都合のいい機関ということです。
また、市役所側にとってはもう一つ大きなメリットがあります。
「審議会が良いと言ってくれた!」
と言って責任をかわす隠れ蓑とも
責任転嫁に使うこともできます。
もし、そうだとすると市民の味方ではなく、
市役所(行政)側にのみ都合のいい機関となり、
本来の意義を果たしているとは言えません。
ここがポイントとなっています。
「審議会は行政の後押し機関」
と言われるゆえんです。
富山市では後押し機関以外の何物でもない実態が
記事を読み進むと近い所だけで、
3つの審議会に後押し機関と言われても
仕方ないやりとりがあったことが明記されていました。
考え方の違いが露呈!【景観まちづくり審議会】
景観まちづくり審議会では、
今秋に改定を目指す景観計画を巡り、
審議会がどこまで計画づくりに関わるかで
委員と当局の考え方の違いが露呈!
考え方の違いとは、
計画づくりにもっと深く関わりたい
と主張する委員に対し、
条例上、出来上がった案を議論して
もらうための組織と考える当局側の
考え方の違いでした。
つまり、出来上がった案に助言するだけで、
骨格(本題)には意見するな!ということです。
審議会の目的である
市民の意見を反映させたい委員が
ないがしろにされているかと思われます。
十分な審議をしていない?【通学区域審議会】
通学区域審議会では、
審議回数やメンバー構成、進め方など
を巡って、議員から、
十分な審議だったかを問う質問
が定例会で相次ぎ、市教委は
「民意を十分反映できた」
と反論したとありました。
もう少し具体的に言えば、
小中学校の再編案を協議した
この審議会を巡って、
統合に反対する住民が、
傍聴後、報道陣に対し、
「丁寧な議論がなされず、
教育委員会の案を通すだけの
会議に見えた」と語っていました。
また、市議会3月定例会では、
複数の議員が審議回数の少なさなどを
指摘しながら「民意が反映されていない」
と主張し、教育委員会が
反論を繰り返していた。ということでした。
これつまり、ちゃんと説明した!
という事実のみを残し、
市民の意見はほとんど聞かず、
ちゃっちゃと決めてしまおう!
ということです。
丁寧な議論をしていない?「環境審議会」
環境委員会では、今後予定されている
家庭ごみ収集の有料化の審議を巡り、
議員から丁寧な議論を求める声が相次ぎ、
当局は「有料化ありきの議論はしない。
慎重に検討する。」と説明していました。
市民の意見を反映させるべき審議会において
そもそも市民の意見を反映させる気がないということ。
これつまり、結論ありきの議論が、
過去は、ほとんどであった!
ということを逆説的に
述べているということです。
自民議員から指摘?!
「最近、審議会という存在に強い抵抗感がある」
自民議員からこう指摘する声も上がり、
当局の審議会に対する姿勢に
目が向けられるようになっていいます。
審議会のあり方に目が向くのはよいこと!だが・・・
さまざまな審議会に、
さまざまな意見が述べられ、
注目が集まることになってきているのは、
民意が反映されるという
審議会本来の役目が果たされる
ことに繋がるので非常にいい傾向です。
さらに、それをあの自民議員が
指摘するようになったということに
感動すら覚えています。
かつての議員報酬審議会では?
かつて全国に汚名を
轟かせたドミノ辞職の
きっかけとなったのは、
時の議員報酬審議会の
議員報酬10万円アップの
答申(市長への進言)でした。
審議時間の短さや回数の少なさ、
欠席委員がいたことなどが問題視されましたが、
それをものともせず、
その審議会の決定を旗印に、
一気に議員報酬を十万円引き上げたのが、
時の自民会派でした。
今後の審議会を始めとする変革に期待!
その自民会派の議員自ら、
審議会のあり方や当局に
苦言を呈しているのですから、
随分、まともになってきたなと思います。
これも、2会派に分裂した
効果なのかもしれませんが、
市民にとっては、いい変化なので、
今後の変革に大いに
期待したいと思っています。
一方、県議会(新田県政)では
一方、県議会では、
富山市と様相が違うということでした。
この一連の記事の端にあった
「記者の直言」というコラムに
次のようにありました。
「富山市のみならず、
審議会は、大きな異論は出ず、
予定調和(最初から結論ありきで進むこと)
になることが多い。
(決定権のない)助言機関という
役割を考えれば仕方ない面もある」
と踏まえた上で、続いたのが、
新田県政の「有識者会議」のこと。
「条例に基づく審議会とは
性格が異なり、単純比較はできない!」
と、前置きした上で、
「そこでは、異論が噴出し、
県が大幅に見直す場面が相次いでいる。」
といい、「選挙を経ない委員の意見が、
施策に大きな影響を及ぼすことの
是非は問われるべきと指摘」しつつ、
「ガチンコの議論を大切にする姿勢は、
どの自治体も持ち合わせないといけない。」
と結んでいました。
シマは、おっしゃる通り!と思いました。