議員の裏側

一般質問のヤバいルールについて【富山市議会】

今回は、旧態依然とした富山市議会本会議の
質問のルールを切りたいと思います!

そもそも本会議の一般質問って、
誰のためにやっているんでしょう?

市民のために、市民の代表の議員が、
当局に!行政に!対する疑問、質問を投げかけ、
よりよいものにする。
そのために行われるものだと思っているのですが、
その質問のルールが、
その一番大切にしなければならないものを
見失っていると感じたので、
この話をしなければと思いました。

ベテラン議員が大失敗?!

きっかけは、12月7日の新聞に載った、
政治欄の「記者席」という
政治記者のプチコラムのようなものです。

短いので、全文を書きます。

約2年ぶりに登壇した高田重信氏だったが、
質問項目が多く、当局の答弁が予定時間を
オーバーする羽目に。

焦った当局側のあまりに早口の答弁に、
議場から「さっぱり聞き取れない」との声が漏れた。
質問した当人も答弁を十分に理解できなかったようで

「答弁内容を確認しておかないと・・・」
一括質問は5年ぶりだったと明かし
「時間配分を間違えた。失敗です。」と猛省していた。

この2年間は、知事選で新田八朗知事や
衆院選の田畑裕明氏の応援に奔走した高田氏。
存在感や応援弁舌の鋭さは増したが、
「質問力」は鈍ったか?

という内容でした。

簡単に言うと「ベテラン議員の質問数が多すぎて、
時間内に収めるのが使命の当局側の答弁が、
超早口になって聞き取れなかった!」ということです。

誰のための質問?答弁?

これの何が引っかかったのかと言うと、
誰のために質問してんの?
そして、誰のために答えてんの?
というところです。

当然、最初に言った通り、
どちらも市民のためのはずです。

なのに、決められた時間内に収めることが最優先で、
市民が聞き取れようが、聞き取れまいがお構いなし。

信じられない非常識な速さで答弁がなされたということです。

※実際の映像をぜひご覧頂きたい。
富山市HPの令和3年12月定例会、高田重信で、
検索すれば、すぐに視聴できます。

こちらから見れます
最後の1分だけでも見て頂ければ、
なんじゃこりゃ?!と100人中99人は思われると思います。

ふざけているとしか思えない!

で、新聞記事にもありましたが、
質問した高田議員ですら、
答弁内容を確認しないといけない
と言っておられるので、
他の議員はもちろん、
傍聴席やインターネット、
ケーブルテレビで見ておられる一般市民は、
ちんぷんかんぷん!何やっているんだ!と
怒られたか?呆れられたか?
だろうと思います。

本会議の一般質問は、本来、朗読会!

本会議での一般質問は、
議員が自由に発言、質問できる他の会議とは違い、
議員がどんな質問をするのかを事前に伝え、
当局側と調整しています。

つまり、当局側は、事前に何を質問されるか分かっており、
その質問に対しての返答を十分に練って、文章を作成し、
それを読み上げればいいだけの状態にして、
会議に臨んでいます。

さらに、一議員に与えられている
質問時間も事前に決まっているので、
その範囲内に収まるように準備されます。

なので、本会議の一般質問は、
シナリオ通りに坦々と進んでいくというのが普通です。
双方、作ってある文章を読むだけですから。

「一括質問」と「一問一答」

もう少し詳しく説明すると、
富山市議会の場合、一般質問の質問形式は2つあり、
一つは、全ての質問を一気にしてしまう「一括」、
もう一つは、一つ一つ質問していく「一問一答」です。

どちらが一般市民に分かりやすいかと言えば、
当然、「一問一答」です。
なので、ここ数年は、そちらの形式で質問する議員が増えています。

が、今回、この異常事態となった質問形式は、一括でした。

また、持ち時間は、どちらの形式も
30分、45分、60分の3つから、各議員が自由に選べます。

で、どの持ち時間であっても、
基本的に質問時間(議員が話す時間)は、
その3分の1と言われており、
30分の場合は、10分。
45分の場合は、15分。
60分の場合は、20分以内に収めれば、
おおむね、時間内にスッキリと収まるはずなんです。

こともあろうにベテラン議員がしくじった!

今回は、60分を選択されていました。
本来であれば、スッキリ収まりやすい形式
や時間選択のはずなんですが、
先の12月定例会のそれでは、そうならず、
聞き取ることが不可能な、
2倍速や3倍速のスピードで答弁する
という異常事態が起こったということです。

しかも、それをしでかしたのが、
ベテラン議員というおまけつきで!

そうなった原因は、きっと、質問数と質問が
複数の部局に絡んだためだと思います。

質問時間が既定の時間内に収まっていても、
質問数が多く、さらに、色んな部局が絡むと、
調整がうまく行かず、
全体量が膨らんでしまう可能性があるからです。

市民本位で行くには?!

さて、本会議の一般質問の実態について、
みなさんはどう思われたでしょうか?

本末転倒だと思われませんでしたか?

今回説明したような市民を
置き去りにした質問や答弁は不要だと思います。

結局、パフォーマンスにすぎないと思うからです。

先の説明でお分かりの通り、
質問も答弁も原稿があって、
それを読み上げるだけなのですから、
それをわざわざ議場で読み上げなくても
データを流し、読んでおいて!
としておけば、個々のスピードで読み取り、
理解も進むと思います。

それを読んだ上で、新たに生まれた疑問などを
当局に投げかけた方が、よっぽど生産的だと思うのです。

少なくとも、市民不在の今の本会議の一般質問のあり方を
真剣に議論して欲しいと思っています。

富山県議会のように、議員の質問時間だけを確認するとか、
分割質問にして、当局の対応をしやすくするなどの改善は、
すぐにでも可能と考えています。

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