「富山大附属小学校でいじめ!」
4月6日夕方の民放ニュースの
第一声がこれでした。
翌7日(木)の新聞には、
3面に大きく取り上げられていました。
今回は、この名門富山大学附属小学校の
いじめ問題発覚を受け、
いじめ問題についての対応の難しさと
それを乗り越え、いじめを減らす方法
について語りたいと思います。
附属小学校で何が起こっていたのか?!
新聞の大見出しは、「富山大付属小でいじめ」
そして、中見出しは「重大事態調査報告公表へ」
とありました。
記事を読み進むと
「附属小学校で、過去にいじめがあり、
児童が不登校になっていたと発表した。
いじめ防止対策推進法に定められている
「重大事態」に当たることから
第三者委員会を設置し、
昨年7月に調査報告をまとめたという。」
とありました。
めっちゃ遅い対応はここ
それだけを読むと附属小学校、及び、富山大学は、
法に則り、真摯にいじめと向き合い、
被害児童やその保護者に寄り添った
対応をしたように読み取れます。
しかし、記事は次のように続いています。
「文科省は、重大事態が起きた場合、
速やかに第三者委などの調査組織を
置き調べるよう求めている。
富山大学によると第三者委員会は
昨年7月5日に調査報告をまとめた。
これを受け、同大が附属小改革委員会を設置し、
10月14日にいじめ対策や学校組織の
見直しなどを盛り込んだ改善策をまとめた。」
とあり、その文のまとめが、
「第三者委が設置された時期や、
いじめが確認されてから調査にかかった期間は
明らかにしていない。」と歯切れが極めて悪かった。
記事は、さらにこう続いていました。
「12月26日には、学長が過去に
いじめを受けた児童とその保護者に謝罪。
児童の心のケアや教育支援に取り組むことや
附属小学校の改善策を説明した。
同大は現在、第三者委の調査報告書を
公開する準備をしている。」
つまり、調査結果が出てから、
約3か月後に改善策をまとめ、
その約2か月半後の12月26日
年の瀬が迫った年末に児童と保護者に謝罪し、
改善策を説明したということです。
おそいですね!間違いなく。
いじめが発覚したのは4年前!
この記事では、
「第三者委が設置された時期や、
いじめが確認されてから調査にかかった期間は
明らかにしていない。」
と記されている。
しかし、前日の北日本放送のニュースでは、
時系列の表にして説明されていました。
いじめが確認されたのは、
今を起点とすると約4年前のこと。
また、第三者委員会が設置されたのは、
それから1カ月後だったらしいです。
そこまでの動きは、そつなく早いと感じました。
しかし、調査報告(書)が提出されたのが
昨年の7月ということなので、
第三者委員会が設置されてから、
報告がなされるまでに、
少なく見積もっても3年かかった
ということになります。これは、遅すぎる!
そして、なぜ今、公表?!
ここまでで、新たな疑問が生まれました!
なぜ、このタイミングで
テレビの夕方のニュースのトップに!
そして、翌日の朝刊にも大きく載ったのか?
です。
4年も前のいじめです。
そして、報告書が出たのが去年の7月。
謝罪をしたのが昨年末。
それから、4か月以上たった、
4月6日のテレビのニュースに出たわけです、
しかも、地方のトップニュースとして!
謝罪が済んで、4か月後に公表
となったということは、
謝罪に納得できなかったということですね。
テレビのニュースには、
被害を受けた児童の保護者(多分、母)
の激白が放送されていました。
これから想像するに、
あまりの対応の遅さに
納得できなかった保護者が
マスコミを頼って、
世間に知らしめたのだと思いました。
今後、その報告書を公開するよう
求めているという事なので、
被害児童であった自分の子のダメージを
考えた上での行動なので、
肚は決まっているのだとも思いました。
こじれると泥沼に!
元々いじめは陰湿なモノなので、
陰で解決を図ろうとすると
ドツボに嵌りやすい!
というのがシマの考えです。
今回のこの件は、まさに、
その典型と考えられます。
被害者と加害者。
被害者と学校。
加害者と学校。
そして、それを取り巻く保護者の思いが、
こじれにこじれた結果、
このようなタイミングで
こんなことが起こったのだと思います。
それで、被害者の保護者が、
調査委員会の報告書の公開を承認する
方向で事が運んでいるということなので、
この件に関わった当事者たちは、
ドキドキものだと思います。
加害者はもちろん、その保護者、
担任を始めとする学校関係者などなどなど!
既に4年は経過しているので、
加害者は、中学生か高校生!
さすがに氏名の公表はないにせよ、
それなりの制裁を受けることになるのが、
今の世の中。
今頃、大反省していると思われます。
遅いですけど。
それが狙いと思われる今回の報道なので、
既に、狙いのほとんどを達成したのではないか
と思っています。
いじめ被害を最小限に抑えるには!
ここからは、シマの自論を展開します。
曲がりなりにも
約30年間教員をしていた身なので、
その間、いじめ事案には
数えきれないほど出会って来ました。
そして、いじめは、
あって当然のモノとも思っていました。
いや、今でも思っています。
いじめを隠す理由はこれ
世間で、今回の告発(?)のような
いじめ事案が絶えないのは、
多くの方々が、
「いじめはないもの。なくて当然のモノ。」
と勘違いしている所にある
とシマは思っています。
だから、いじめがあった場合、
それを隠す担任が出ます。
「指導力のない担任!」
と思われるのが怖くて!
また、加害者は、確たる証拠を
突き付けない限り否定します!
さらに、場合によっては、
被害者すら、他の人たちに
自分がいじめられていることを知られたくない!
という理由で、隠そうとします。
それらが、大間違いな点だと思っています。
冷静に考えれば、誰もが気づくことなのに、
なぜだか、ないのが普通って
思い込むようになっています。
いじめなんて、子どもの世界はもちろん、
大人の世界でも普通にありますから。
いじめは、あって当然と捉え指導すると!
シマが担任時代にした指導は単純明快です。
① いじめは普通に起こり得ることなので普通に訴えること。
② いじめは、いたずらと見分けがつきにくいもの。
⇒ なので、自分がいじめられている(かも?)
と思ったら、すぐに報告しましょう!
③ 傍観(見て見ぬふり)もいじめなので、
見たら、知ったら、報告しましょう。
と、いの一番に生徒に告げ、
保護者にも知らせます。
それでも、事は起こります。
普通ですから!
事が起こったら、隠さず
フルオープンで即対応です。
子どもたちにも保護者にも
全てを伝えます。
これを繰り返しているうちに、
いじめは激減します。
なぜならば、
子どもの意識が変わるだけでなく、
保護者の意識も変わるからです。
こんな簡単なことを実践して行けば、
重大事態に認定されるようないじめは減り、
ほとんどがいたずらの延長程度となると考えています。
初期対応が肝心!
お分かりになったと思いますが、
あって当然のものだと思っていれば、
当然、起こった時の対応をあらかじめ考えます。
それを単純に実行するだけなんです。
あって当然、起こって当然だと、
子どもたちに知らせることで、
その事実が表に出やすくなります。
出てくれば、即、対応です。
公表も日常的にするのがいい!
事が重大になってからの公表は、
今回のように、さらに事を大きくします。
なので、常日頃から、
その根っこを感じさせるような事態を
察知した時点で、普通に公表するのが、
結局は、いじめ事案の解決に
一番いい方法だと思っています。
みなさんは、どう思われましたか?