「富山市議会だより」にある悪意
富山市にまん延防止等重点措置が
適用された8月20日。
「とやま市議会だより70号」が届きました。
今日はこの冊子の特集ページ。
ここに編集委員が意図的に見せたいこと、
隠したいことがあるのを見て取れますので、
このことについて話したいと思います。
冗談かと思うほど、
無駄なことに力を注いでいると呆れています。
「市議会だより」とは
この「市議会だより」なるものは、
定例会毎に富山市内の全戸に配布される冊子で、
当然ですが市議会で行われていることを
市民に分かりやすく伝える広報誌です。
今回の70号は、先に行われた
「令和3年6月定例会」のことを詳しく伝えよう
として作られているようでした。
表紙と裏表紙は、カラー刷り、
その他の10ページも写真製版で、
それなりにお金をかけた立派な冊子です。
どこの市町村も出している
このような便りを発行している市町村は珍しくなく、
むしろ一般的で、富山市のはページ数や内容が
他と比べると薄い感じです。
あくまでも、シマの肌感覚ですけどね。
他の市町村のは、
質問した議員一人当たりの紙面の量が多かったり、
各種委員会の報告も丁寧であったり
していると思っています。
まあ、富山市は、議員数が多く、
話し合うことも多いから、
当然そうなるのかもしれませんがね。
悪意ある特集の帯グラフ
ただ、ここ数年、6月定例会の報告号の裏表紙に、
特集で前年度の政務活動費の会派別使途割合が
帯グラフで示されています。
政治グループ別お金の使いみちのグラフです。
このグラフの表記が
大きなグループには有利に見えるように、
小さなグループはやっぱりダメなグループだ
と思われるように表記されている
というふうに感じられます。
際立たせようとしているのは?
さて、ぱっと見、何色が多く見えますか?
ピンクとオレンジですよね。
ピンクは、未使用額、つまり、使われなかったお金。
オレンジは、人件費、つまり、事務員さんのお給料です。
未使用額の割合が一番大きいのは、
このグラフを見ると
ひとり会派の自由クラブ(約89%)
次に18人会派の自民党(約63%)
となっています。
しかし、本当は100%(全額未使用)
の会派が5つ(全て一人会派)あるのです。
が、それは、欄外に小さく載せてあります。
白色で。
100%ピンクの帯を隠している
5本のピンクの帯を隠している格好なので、
ピンクに目を惹かそうとして作られたものではありません。
惹きつけたいのはオレンジ
明らかに、次に割合の多いオレンジ
に注目を集めさせたいという意図が
感じられる変な帯グラフなのです。
オレンジは、先に述べた通り、人件費。
分かりやすく言うと事務員のお給料です。
その割合が異常に高い会派がありますよ!
なんかおかしいと思いませんか?
市民のみなさぁ~ん!
ということを感じて欲しい意図がある
としか思えない妙なグラフです。
何が、どう妙なのか?
事務員さんの人件費に限って説明します。
事務員さんの給料の金額は、
勤務時間や仕事内容、年齢などで違う
ことは当然のことだと思っています。
また、雇っている人数によっても
当然、違いが出ます。
一番人件費を支出しているのは自民会派。
年間約450万円です。
次が約120万円の立憲会派、
次が112万円の共産会派。
公明の110万円と続きます。
自民会派が、ずば抜けて高額ですが、
自民会派の事務員は2名いるので、
同額を支給されているとすると
一人当たり225万円となるので、
他の会派より100万円以上多いということになります。
事務員一人当たりの給料の相場は?
自民会派以外の会派で
事務員を雇っている会派は、
全て一人なので、
ざっくり言って自民会派の事務員以外は、
一人当たり120万円が相場のようです。
ただ、自民会派は、大会派なので、
仕事量が多かったり、
勤務時間が他の会派より長かったり
するのだろうと予想します。
なので、単純に高すぎる!
というつもりはありません。
真におかしいと思うのは
おかしいと思うのは、そこではありません。
グラフを見て、人件費を一番支出しているように見える
オレンジの帯が一番長いのは、
昨年2月末に会派名を変えた一人会派の3月、
1か月分の政務活動費の支出割合で約67%。
次に長いのは、昨年7月から一人会派になり
2月で消滅した会派の11か月分の割合で約60%です。
それぞれ、金額は、10万円と約84万円です。
実は、この約60%の会派は、
シマが昨年6月まで所属していた会派で、
2月末に会派名を変えた会派と
所属議員は同じです。
つまり、その所属議員の会派は、
年間約94万円の事務員費を
支出したということです。
年間94万円ですから、
一人の事務員を雇う費用としては
決して高額ではないのです。
なのに、こんな帯グラフを敢えて示している!
変でしょう?
こんな分かりにくい表現をして、
この帯グラフにオレンジ色を浮かび上がらせて、
市民のみなさんに何を感じて欲しかったのでしょう?
不思議でなりません。
金額的には、決して多くないのに。
一人会派や二人会派は、
事務員を雇うな!
とでも言いたかったのでしょうか?
何を伝えたいのか分からない
考察が何もないので、何を言いたいのか、
伝えたいのか、まったく分からず、
わけが分かりません。
もっと言うと同じ議員が
会派の名前を変えただけなのだから、
他の会派と同じように
1年分のグラフにすればいいのに、
わざわざ11か月と1か月に分けて、
その1か月分の帯を、
他の帯と同じ長さで示し、
そのオレンジ色が一番長いですよ!
ということに、どんな意味があるというのでしょう?
「議会だより」は誰が作っている?
ちなみにこの議会便りは、
議員で構成されている
「議会便り編集委員会」が、
委員長を中心に企画、構成し、発行しています。
委員長は、最大会派自民会派です。
これでも、まだ、いい方?
実は、今年のは、まだ、いい方(?)で、
以前は、返金は表記せず、
使った金額の使途割合を示していました。
シマが現役の議員だった時、
その表記表現は、絶対におかしい。
100%の基準がバラバラで、
そんなものの割合を示す意味が分からない
と編集委員長に直訴しましたが、
全く聞き入れてもらえず、
そのまま載せられました。
当然、オレンジ色の割合は、さらに伸びていました。
シマが編集委員長なら
シマが編集委員なら、
全会派の帯グラフを全て提示し、
ピンク色(返金)が大半を占めている
ことを浮かび上がらせ、
政務活動費の減額の検討をしなければならない!
ということを訴えるべきと主張すると思います。
全体として約60%も使わず
返金しているのですから!
金額にして2,400万円返金は大きいぞ
金額にして2400万円は、大きな金額だと思います。
ここ2年は、コロナのために視察に行けない
ということで視察費分が使われていませんが、
それがあったにしても
あのドミノ辞職以降、
使い切れていないのが事実ですから、
減額の検討は必至だと思っています。
政務活動費として一番適正な使途は?
また、もっと純粋な目、
政務活動として一番価値ある使途は何なのか?
という目で見ると
項目では赤色の「調査研究費」や
黄色の「広報広聴」費だと思いますが、
その割合が一番大きいのは共産党会派です。
ちなみに、自民党会派で目を引くのは、
紫色の「事務費」です。
事務費とは、額面通り、事務に係る費用です。
会派ではなく、議員に支出すれば・・・
構成員が多いので、
必然と言えば必然だとも思いますが、
こういう費目別の割合を示したいのであれば、
会派ではなく、議員一人一人のものを
示すべきだと思います。
射水市や南砺市のように
議員個人に給付すれば、
会派の大小に関わらず、
比較しやすいデータの表記になると思うので。
100%使用時との比較が面白いのでは?
さらに言うと、もっと原点に立ち返って、
全会派100%使っていた
ドミノ辞職前と今との違いが
明確に分かるグラフを提示した方が、
興味関心を持って見る市民が
多くなる可能性が高いと思います。
そして、新たに政務活動費の
使途に対する疑問が浮かぶかもしれません。
そこから出てきた疑問に
真摯に対応することで、
失った信用を徐々に取り戻すこそができると考えます。