今さら感満載ですが、
今、国は、教員や学校の改革を
しようとしています。
そう、教員が超ブラックだと気づいて、
直さなきゃと思っているんですね。
その内容について考えさせられた記事が目に留まりました。私自身も教員だったので
その体験を踏まえて説明します。
それは、10月8日の新聞の社説でした。
ある教員が裁判に打って出た
超過勤務時間が長すぎるし、
それについて残業手当が出ないのは、
法律違反だ!改善してくれ!と
訴えた裁判の判決を受けてのものでした。
まずは、新聞の内容を詳しく振り返ります。
埼玉県の教員が、月平均60時間の時間外労働に
労働基準法に定める残業代を支払わないのは
違法として、さいたま地裁に起こした
裁判の判決のお話でした。
判決は、一刀両断!
判決は、あっさりと請求棄却!
いわゆる門前払いでした。
教員向けの特別な法律に
則っているという理由で。
まあ、これが、法治国家の現実です。
ビックリ仰天の付け足しが
しかし、この判決には、
その判決を翻すような
ビックリする付け足しが
二つ付けられていたのです。
本当にびっくりする内容です!
一つは、「給特法(教員向けの特別な法律)は、
もはや教育現場の実状にあっていない。」
もう一つは、
「この教員の訴えには意義がある。
教育現場の勤務環境改善を切に望む。」
これはつまり、今ある法律では、
どれだけ残業時間が多かろうと
それに対する残業代が支払われることはない!
と一刀両断に切り捨てています。
この法律はおかしい!
一方で、裁判官自らが、
今ある法律(給特法)が時代遅れの
実状に合っていないお馬鹿な法律に
なってしまっていること、
そして、国に、この法律の改善を
促す言葉を付けたしたということです。
おもしろいでしょ?
法に則って物事の成否を判断する裁判官が、
自ら、この法律はおかしい!時代遅れだ!
と言い切ったわけですから、
すっごい付け足しだと思います。
文科省は既に動いてはいる
実は、文科省は、既に、先生方の働き方改革、
簡単に言うとやらなくてもいい仕事の
洗い出しをする返答を随分前に出しています。
平成31年1月25日中央教育審議会が、
「新しい時代の教育に向けた持続可能な
学校指導・運営体制の構築のための
学校における働き方 改革に関する
総合的な方策について(答申)」が、それです。
この中で、教員の仕事を三段階に分け、
順次、必要感が小さい仕事から、
他へ移してしていこうという通達が
各都道府県知事と教育長に出されています。
教員の仕事を三つの段階に仕分け
その段階三つは次の通り。
これはみなさんも見習うことが多いと
思うので読みながらぜひ考えてみて下さい。
1つは、基本的には学校以外が担うべき業務
(学校がやらなくて他に回せばいい仕事。)
あなたがしなくていいよ。
他の人のほうが適任だよね。
2つは、学校の業務だが、必ずしも教員が担う必要のない業務
(教員が、必ずしなくても
他の誰かに任せてもいい仕事)
他の人でもいいよね。
3つは、教師の業務だが、負担軽減が可能な業務
(教師の負担をすこしでも軽くするべき仕事)
となっています。
もう少し突っ込んで説明します。
1つ目の「基本的には学校以外が担うべき業務」
の具体は、
他の人に任せたほうが良いよねというもの
①登下校に関する対応、
誰がやってもいいですよね笑
②放課後から夜間などにおける見回り、
児童生徒が補導された時の対応、
これも教員じゃなくて、
もっと適任な人がいますね。
③学校徴収金の管理運営、
地域ボランティアとの連絡調整
これこそ教員の仕事じゃないですね。
だと言っています。
2つ目の「必ずしも教員が担う必要のない業務」
の具体は、
他の人でもいいよねというもの
⑤調査・統計等への回答等。
⑥休み時間対応。
⑦校内清掃。
⑧部活動。
だと言っています。
3つ目の、「負担軽減が可能」
の具体は、
他の人に頼んだり、
補佐してくれたりする人が
いるといいねというもの
⑨給食時の対応、
⑩授業準備、
⑪学習評価や成績処理、
⑫学校行事の準備・運営
⑬進路指導。
⑭支援が必要な児童生徒・家庭への対応。
だと言っています。
実際にこれらはできるのか?
さて、ここからはシマの私見になりますが聞いてください。
この一つ目の他に回せばいい仕事
「①登下校に関する対応」や
「②放課後から夜間などにおける見回り、
児童生徒が補導された時の対応」
「③学校徴収金の管理運営、
地域ボランティアとの連絡調整」は、
地域人材や警察に丸投げするのでしょうか?
それは、かなり難しいことの様な気がします。
そうなれば、結局、学校に教員以外の人材を増やすか、
IT化を進めて、事務を軽減するかなのだと思います。
この一つ目は、やらんでいいと言っているので、
即刻、他に委任すればいいと思っていますが、
実態は、そのまま残っていることが多いようです。
一つ目がそうなので、二つ目は、本当に無くしたり、
他へ委任したりできる仕事かどうかが心配になります。
「⑤調査・統計等への回答等。」
「⑥休み時間対応。」
「⑦校内清掃。」
「⑧部活動。」
などは、やってやれないことはないような気はしています。
しかし、下手にやると余計な仕事が増えるとも思います。
すぐにできないなら
実際問題、すぐに、そういう人材やIT化を進められず、
現職教員に任せている実態があるのであれば、
一時的でもいいので、給特法を廃止か、変更し、
残業代が現職教員に出るようにすべきと思っています。
そうしないと現職教員がバタバタと倒れていくだけでなく、
新しい若い教員が入って来ず、教員不足となり、
それは、イコール教育崩壊に繋がると思うからです。
動いている町はある
そんなことを考えていた数日後、
10月12日の新聞の一面トップに
富山県の東の端に位置する朝日町の
画期的なプランが載りました。
学校運営に地域住民の力を入れ、
教員の仕事をダイナミックに減らす!
そんなプランでした。
明らかに先の答申を踏まえたもの
だと思い感動しました。
こんな動きが、少しでも早く、県全体に、
そして、日本全体に広がって
いって欲しいと思いました。