議員の裏側

『文通費100万円問題』 ~ 維新ブーメラン喰らう? ~

今回は、衆院選直後に問題になった
就任1日で10月分の文書通信滞在費
100万円が支給されていた問題について語ります。

この問題は、国会議員になったら、
制度上、たった一日で100万円もらえる
ことがあるということを改めましょう
という単純な話では終わりません。

めっちゃドロドロした色んな思いや
狙いが交錯したおもしろくもいやらしい
問題に発展しそうなんです。

ぜひ、知っていただきたいです。

誰もが、まずいと思った?

さて、富山の新聞に、この問題が載ったのは、
発覚後の11月17日の2面でした。

「自公100万円全額寄付へ」
「立民は日割り法案」という見出しが躍り、
別面では、「維新口火 与野党警戒」
「参院選見据え手柄争い」という見出しが
大きく記されていました。

2面の見出しは、中を読まずとも、
だいたい記事の内容は予想できましたし、
各党の反応も、至って常識的だと感じました。

が、別面の見出しは、結局そこかい?!
本論は、そこなん?という寂しい
気持ちになるものでした。

2面には、記されている全ての党が、
たった一日で一か月分の100万円をもらうのは、
さすがにまずいと思ったようで、
何とか返還する方向で動くと
明言したことが記してありました。

多分、記載されてない他の党も
これに続くだろうと予想されます。

だれが見たっておかしいですからね。

おかしいくらいのブーメラン!

で、もっとおかしかったのは、
絶好のチャンス!と思って、
普段から、身を切る改革!身を切る改革!
と言い続けている維新が、
めちゃくちゃ素晴らしいドストライクの
ブーメランを喰らったことです。

あんなに聡明そうで、
国民の支持者、支援者が多いと思われる
維新の顔とも言っていい吉村大阪府知事が、
過去に寸分たがわぬ全く同じことをしていたことに、
全く気づいておらず、指摘されたわけですからね。

大チョンボです。

で、その振り上げたこぶしを
どう治めるのかと思ったのですが、
そこは、さすがですね。

謝り方は上手ですが・・・

速やかに事実と認め、さっと謝罪し、
過去にさかのぼって返還すると言われました。
上手な謝り方だと思いました。

で、さらに、そつのない対応だと思ったのは、
与党が日割り制に法律を変えることで
幕を引こうとしているのに対し、
別の視点、このお金が領収書要らずで
結局、第二の財布になっていることを公表した上で、
この使いみちをを公開すべきと言い出しました。

それは、シマには、批判の矛先を逸らそうと
しているようにしか見えませんでした。

なぜならば、真剣に、使いみちを公開すべきと言うなら
過去にさかのぼって返還すると言った、その時に、
そのお金の使途を堂々と公開しておくべきだ
と思ったからです。

つまり、もっと早く領収書等を見せて問題なかったと説明すれば、
とても説得力があったと思います。

正しく使っていたのであれば、
領収書があってすぐに公開できたはずですよね。

領収書がなかったということは、、、

みなさんは、どう思われたのでしょうか?

結局、領収書がないものにお金を使っていたんじゃないかと
思いますよね。五十歩百歩だったのではないでしょうか。

結局、政争の具!

で、別面では、「参院選見据え手柄争い」の
見出しが躍っています。

呆れます。政争の具にしているだけということです。

この記事の中では、要約すると、
維新がさらに勢いをつけるなかで
それをさせまいと他の党が大慌てで動いたということです。

維新の勢いを止めるために
吉村知事の過去のことを引っ張り出してきたわけです。

正しいことをしようと伝えているのはわかりますが、
どうしても、目的は足の引っ張り合い?
次の選挙の評判取り?
国民のための改正ではない?とあきれます。

本筋は、立民、共産の案?

ちょっとだけ私見を述べますが、
立民の幹事長や共産党の書記局長が言っていることが、
本筋だとシマは思っています。

つまり、「各党で協議し、抜本的な見直しをすること」が、
何よりも大切だと思っているのです。

政治家に、政治活動をするためのお金を
公金から与える場合、
その使いみちを公開することは、
義務だと思うし、そうすることで、
その議員が何をしているかが
分かりやすくなるとも思っています。

もうお気づきだと思うのですが、
これは、政治家の政治活動のお金に関わる問題です。

衆議院議員だけの問題ではありません。

この問題を抜本的に解決することで、
全ての政治家、つまり、県会議員や市町村会議員などの
政治の活動に関わるお金の基本的な考え方が
変わると思っています。

この問題が、この先、
どういう方向で進んでいくか、
キッチリと見ていきたいと思っています。

国庫に返納できない!?

最後に、このお金が、素直に国庫に返還できない
というお話をしておきたいと思います。

本来であれば、いただく理由がないお金なので、
お国の財布である国庫に返納するのが
筋だと誰もが思うお金が、
公職選挙法等に拠って、
そうできないことになっているのです。

個人の意思で勝手に返納すると
寄付行為にあたるからです。

なので、それぞれの対応を細かく見ていくと
微妙に違っていることが分かります。

自公は「全額(党に)返還させて寄付する」とし、
立民は、そうした上で
「日割り支給を可能にする法案の提出を目指す」、

また、言い出しっぺの維新は、
さっき言った通り、それに上積みする形で
「領収書提出が不要な現行制度を
見直す関連法改正案を提出する意向を示した」
とありました。

自民党の幹事長は、
「国庫には戻せないので適切な寄付先を考える」
としている。

一方、立民の幹事長は、
「衆議院運営委員会で各党が協議すべき」とした。

また、共産党の書記局長は、
「日割りにするのは当然だが、
そこにとどまって解決できる問題ではない。
抜本的な見直しを求めていきたい」としていました。

微妙に視点や落としどころが違いますね。
結局、早く、この話題から目を逸らせたい
というのが、多くの党(与党?)共通の思いらしく、
日割り支給にする法律改正をとっととやって、
維新が主張している使途の公開や
共産党が主張している根本的な政治と金の
問題には触れずに行きそうな感じですね。

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