議員の裏側

教員免許更新制、来年度末に廃止 この制度で教員はこんなに苦しんでいました

ようやく決定!教員免許更新制、来年度末に廃止
今回は、教員免許更新制廃止について語ります。
廃止になって良かったのか?

元教員のシマとしては、やっと廃止になった!
よかった!と思うのですが、
教員でない方は、ひょっとして
「何で廃止するん?更新の講習がなくなったら
教員の質が、より落ちるのでは?」
などと思われているかもしれません。

教員免許更新制度の実態

教員免許更新制度廃止の報は、
11月16日(火)の朝刊に出ておりました。
「教員免許更新制 来年度末に廃止」とあり、
「中教審部会了承 研修制度を創設」
と続いていました。

簡単に言うと、
「免許の効力と紐づけた更新講習は、
形式的で学習効果を低下させる」

つまり、更新のための学びの少ない講習に
意味はないということです。

結構現場はひどいので、
この実態をぜひ聞いて下さい。

シマ自信も教員だったのよくわかっています。

嫌々受けている教員がほとんど

これはどういうことかというと、
この更新講習を受けないと
教員免許がなくなるので、仕方なく(嫌々?)
講習を受けていたということです。

やる気が無いのとは違いますよ。もちろん。

分かりやすく言うと
運転免許更新の講習と同じです。

受けないと免許はく奪。
運転できなくなるのと同じで、
教員でなくなるということです。

で、運転免許と違うのは、
決められた講習を受ければいいのではなく、
様々な大学で実施される
たくさんの講習の中から、
個々の意思で研修内容を選び、
自分で申し込み、受講すること。

その研修費用が運転免許とは
比べ物にならないくらい高額!
なのに、全て自己負担。

もし、真剣に自分の研鑽のためにと
興味関心が高い講習を選ぶと参加費だけでなく、
その大学までの移動にかかる費用や
宿泊費に至るまで、全て自費となります。

なので、多忙で時間がない教員は、
自分の研鑽のためより、
目の前の子どもたちの指導を重視し、
時短と費用削減につながる、
移動しなくていい通信教育や
近隣の大学で実施される講座をえらびます。

ほとんどの場合は大して興味関心がない講座を
仕方なく選択し、短い夏休みに受講する
ことが多かった。

つまり、おもしろくないと思っている講座を、
免許をはく奪されないためだけの目的で
受けていたという実態があったということです。

そんな講習は意味ないです。

真偽のほどは分かりませんがもともとこの講習は、
存続が危ぶまれる大学を救済するため、
全国にたくさんいる教員の財布を狙った
制度ではないかと言われていたくらいの制度ですからね。

現行制度の最悪な点は?!

もっとおかしな点があります。

実は、シマは、この制度に納得できず、
更新年になる年に、教員を辞めています。

なので、シマは正式に言うと教員免許はありません。

臨時任用教員にはなれるんです。
教員が不足しているという理由で。

こういう面からも、おかしな制度だったんです。
更新を嫌って辞めての教員は続けられるのです。

この講習があると実際に嫌になります。
教員は好きだけど、更新が大変すぎる。
意味もないし、時間もとられるし、
良いものも取れないし、お金もかかるし、嫌になる。
というのが現場の声だし、実態です。

今回の新聞にもそのように書かれており、
制度廃止の理由となっております。

そして、教育現場を離れると
免許を更新できずに教員が減ります。

この更新制度ができる前は、
免許更新はなく、一生ものでした。

書道や珠算、武道などの段位等と同じ、
退職後もずっと教員免許は生きていました。

が、この制度では、10年経って
更新講習を受けなければ教員でなくなるので、
退職後、改めて労力と自分のお金をかけて
教員であり続けようとする先生がいなくなり、
結果として、それまで、学校運営を支えていた
意欲ある退職教員がいなくなり、
代用教員不足となり、現場を苦しめている
ということです。

なので、こういう形式的な免許更新制は
廃止することにしたわけです。

教員は学ばないわけではない!

ただし、教員の学びの機会を
止めるわけではありません。

記事には、
「人工知能の発達等を踏まえて、
教員が常に最新の知識技能を学び続ける必要性は高まっている」
とあり、そのために、

「教育委員会や校長らが、
教員の研修歴や学びの状況を把握、管理。
また、教員と対話しながら適切な研修を奨励する
といった仕組みを作るよう求めた」
とありました。

そして、「向上心なく、研修を拒み続けるような教員には
懲戒を与える制度を設ける必要があるかもしれない。」
ということも記してありました。

こういう制度改正が成されれば、
従前の教員免許更新制より、
実のある研修が、効率よく受けられ、
教員の多忙化解消はもちろん、
教員の資質向上、さらに、
意欲の維持にも繋がると期待できます。

ただし、管理しすぎは問題!

しかし、「教育委員会や校長ら」が、
研修の状況を把握、管理するということが、
どういうことになるのかが、少し気になりました。

下手をすると、現行の制度以上に厳しい管理となり、
多忙化の促進に繋がったり、
実のある研修に参加できなかったり、
パワハラが加速したりすると思うからです。

大切なのは教員の資質向上

大切なのは、管理することではなく、
二つ目の「教員と対話しながら適切な研修を奨励する」
方だと思います。

そして、何よりも重要なのは、
研修に参加する研修費をきちんと出すことだと思っています。

大切なのは、管理することではなく、
教員の資質を向上させ、国の宝である子どもたちの
健全な育成のためにその力を生かすことなので、
校長や教育委員会が、
一人一人の教員としっかり意思疎通を図り、
教員が希望している研修は、どんなものか?

また、逆に、校長や教育委員会が
その教員に期待している力を身に付ける
ための研修はどんなものか?

双方の思いをしっかり共有した上で、
向上心溢れる研修に参加できるようにすること
が大切だと思っています。

今後の具体策を注視して行きたいと思っています。

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