議員の裏側

反対意見が無いのに否決される という不思議な議決について

新生富山市議会、最初の定例会で山市議会で不思議な議決がありました。
反対意見が無いのに否決されるという不思議な議決です。

新生富山市議会も期待できない?

ある議案に賛成の意見を述べる議員がいました。
とても納得できる意見でした。
しかし、反対意見を述べる議員はいませんでした。
それなのに、その議案は否決されました。
へんてこりんな富山市議会です。

新生富山議会の初陣

新生富山市議会の初定例会となる
6月定例会最終日の全体会
を傍聴してきました。

最終日の全体会なので、各議案の最終討論が行われます。
その後、裁決され、議案の可否が決定していく
一番大事な会議です。

そこで、普通の感覚なら、
あり得ないことが起こっていました。

反対意見は全くなし

それは、最後の最後の請願に対する
討論、裁決の場面で起こりました。

請願とは国民が議会に要望を伝える
という憲法で保証された権利です。
市議会議員の署名とはんこを
もって要望を伝えることができます。

その請願が今回は2つありました。
請願の件名は
「新型コロナ禍による米危機の
改善を求める意見書の提出を求める請願」と
「加齢性難聴者の補聴器購入に対する
公的補助制度の創設を求める意見書の採択を求める請願」
でした。

ザックリ言うと
「コロナによって大打撃を受けた米農家を
救って欲しいという意見を国に伝えて欲しい」
「歳をとって耳が聞こえにくくなっている老人に
補聴器を買いやすい制度を作って欲しい
という意見を国に伝えて欲しい」というもので、
どちらも弱者救済のお願いでした。

この請願に、それぞれ一人ずつ、
賛成の意見を述べる議員がいました。

納得!納得!の内容でした。
で、討論ですから、
普通、賛成意見が述べられれば、
反対意見も述べられるのですが、
今回は、2件とも反対意見を述べる議員はいませんでした。

当然、可決!と思いきや!

こうなれば、当然、可決される!
と思いきや!反対多数で否決されたのです!
2件とも!

反対意見を述べない理由

反対意見を述べない理由 わかりますか?

反対意見を述べない理由はシンプルです。
1,国に進言したとて、予算が取れないだろうから
2,反対意見を述べると印象が悪くなり、弱者を切り捨てた印象になるから
3,反対意見を述べなくても否決されるのが明白だから
の3つです。

これらの理由で反対意見を述べるメリットがありません。

請願は市民から様々な意見を聞くという大きな役目があります。
しかしその意見をすべて聞くと
予算がいくらあってもキリがありません。

的確に配分することが政治の役目ですし、
そのため予算配分が非常に重要な役目となってきます。

なので、一方の頭では、やむを得ない
と思わなくもありません。

現状の富山市議会では大きなデメリットがある

しかし、富山市議会の実態を考えると、
このやり方は大きなデメリットがあります。

デメリットは3つです
1,市民に理解が深まらないこと
2,市民に聞こえのいいことだけをしようとする議員が少なからず増えること
3,自分や自分の会派に対する請願者の声のみに耳を傾ける議員が増えること、

つまり請願者の多くは年配の方が多いので、
その声を拾いがちになること。

順に、説明します。

1,市民に理解が深まらないこと

事前に賛成意見を述べる議員がいることは、
全議員が分かっています。
なので、反対の立場であるならば、
その考えを公の前で堂々と話し、
賛否を問うのが、
議会制民主主義の基礎基本だと思うのに、
それをせず、ただ反対の意思のみを示すのは、
賛成している議員はもちろん、
この願いを議会に届けた市民の方に対し、
とても無礼な行為だと思います。

「願いの思いは分かりますが、
かくかくしかじかの理由で、反対です!」
と反対意見を述べるのが、最低限の筋だと思いますし、
そうすれば、市民の理解も進むし、
賛成の意見を述べた議員も納得して、
考えを変えるかもしれません。

今の富山市議会に必要なのは、
そういう丁寧な対応だと思うのです。

2,市民に聞こえのいいことだけをしようとする議員が少なからず増えること

自分と違う意見を述べる議員の話の内容を聞きもしない!
というのが、議会の常識となっています。
富山市議会は、特に、その傾向が強く、
場合によっては、ヤジが飛ぶことすらあります。

けなすことはあっても、聞くことはない!
ということです。

今回の賛成意見は、
聞いていて何度も頷くほど納得できる内容でした。

シマが議員であれば、迷わず賛成したと思う内容でした。
が、与党系のみなさんは、聞く耳を全く持たず、
冷徹に反対の意思表示をされました。

今回の請願は、予算うんぬんの前の
意見を伝えて欲しいという市民の願いでした。

なので、1と同じ、結びとなりますが、
その人たちのためにも、納得の理由を述べるのが、
説明責任を果たすことになり、
結果として、信頼回復への近道では?!
と思うのです。

こういう状況を続けると、
臭いものにはフタをして、
大ごとにならないようにスルーして、
耳障りのいい賛成されることが確定的なモノだけ
取り上げる議員が増えると思うのです。

3.自分や自分の会派に対する請願者の声のみに耳を傾ける議員が増えること

今回は、賛成意見を述べた議員が、
共産会派の議員さんでした。
国政でも敵対している政党です。
だから、聞く耳を最初から持たない!
ということなのかな?と思っています。

が、それは、おかしいと思います。
また、国政が絡むのであれば、
立民や国民も敵対関係にあるのだから、
同じようにすべきと思いますが、
そうではないという事実もあります。

富山は自民党王国と言われて久しく、
前回、18まで減らした議席を
30までV字回復させたという自信が、
驕りとなって表れているのでは?

弱い者いじめ!弱者蔑視?!

それは、ある意味、弱いものいじめではないのか?
と思うのです。

共産党の議員であろうが、
野党系の少数派の議員であろうが、
議員のみなさんの後には、
貴重な一票を投じて下さった
有権者の方々が多数いらっしゃいます。

そういう方々の思いを受けて
発せられる議員の発言は、
発言そのものが重い!
そう思うのです。

なので、結論が出ているから!とか、
共産党だから!という理由で、
完全に無視するのは、
無礼極まりないと思うのです。

反対するのは、もちろん構わない

反対するな!と言っているのではありません。
反対されるのは、もちろん、いいのです。

ただ、どんな少数意見にも魂があると捉え、
軽重付けずに真摯に対すべし!
そう単純に思うのです。

この状態では、自分や自分の会派に対する
請願者の声のみに耳を傾ける議員が増え、
他会派や議員に寄せられた請願は無意味なものになる。

少数意見も大切にするという
民主主義の根幹を揺るがす行為だと思います。

若者の意見が届かない

これはつまり、支持基盤になっている
お年寄りの意見は通りやすく、
政治に関心のない若者の意見は、
通りにくくなるということにも繋がってしまう!

いや、既に、繋がっていると思うのです。

みなさん、そう思われませんか?

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