今回は、衆院選直後に国からなされた
こども庁創設に関する
とんでもない方針転換発表の
お話をさせていただきます。
そしてそれが岸田首相の姿勢でもあるのかな
ということも話させていただきます。
子育ては厚労省と文科省の連携が必要不可欠
子育てを担当する省庁は
厚労省と文科省の2つがあります。
今回のこども庁創設は
その二つの省の壁を取り払おうとした
超画期的な改革でシマは、いい意味で驚き、
喜んでいました。
今まで教師をしていても、
今現在NPOでこどもの教育をおこなっていても、
現在の子育て環境の諸問題を大きく改善、改革するためには、
厚労省と文科省の壁を取り除き、
無理、ムラ、無駄を省き、
お互いに協力して国の宝であるこどもを
大切に育む制度改革が必要だと思っていたからです。
教育現場にいる方ならシマ以外にもそう思っている方は多いと思います。
改革の目玉はまさにその両省の間の壁の打破
今回のこども庁創設の目玉はまさに、
その両省の間に高くそびえ立つ壁の打破にあります。
なので、その目玉を外した発表に
開いた口が塞がりませんでした。
だまされた!裏切られた!
とも思いました。
文科省の分野を外すなんて、
事前に示されていた素案では
あり得ないことでした。
だって、目玉でしたから。
でも現実としてその目玉を抜いた
政策に変わったのです。
文科省管轄の担当分野が外れてしまいます。
文科省の担当分野は、
「幼児教育」「義務教育」「いじめ対策」
とされています。
文科省は名前の通り、
教育を司っていますから
教育の方法や内容についての省庁です。
一方、厚労省管轄は、
「保育」「児童虐待防止」「障害児」
の諸問題になります。
安心安全の分野です。
このほかに、内閣府管轄の
「少子化対策」「子どもの貧困」
などの問題にも対応したいと考えています。
これらの大きな問題に対し、
文科省抜きで、鋭く切り込むことが!
大きく改善することが!
できるでしょうか?
二つの省の壁が障害になっていたことが、
この庁創設によって、取り除かれるのでしょうか?
素人だって分かります。
無理でしょう。
ということで、子育て世代が、
そして、子どもに携わるすべての方々が
大きく期待していた大改革を、
一瞬にして吹き飛ばす信じられない発表です。
シマは、思わず「はぁ?」
と声を上げてしまったわけです。
文科省分野の「幼児教育」「義務教育」「いじめ対策」がぬけ
厚労省の「幼児教育」「義務教育」「いじめ対策」
内閣府管轄の「少子化対策」「子どもの貧困」の部分だけとなります。
小さい小さい見出しで掲載
衆院選の決着が着いた直後の11月3日
の新聞にそれは小さく小さく載っていました。
「こども庁 文科分野除外」という見出しで。
さて、記事の全文を書きます。
政府は2日、子ども関連政策の司令塔となる「こども庁」を創設する法案を来年度の通常国会に提出する方針を固めた。文部科学省が所管する分野のうち、幼稚園の幼児教育や小中学校の義務教育については移管せず除外する方向で検討している。少子化対策などを担う厚生労働省や内閣府の部署は移管する。
子ども政策の大きな柱である教育分野が文科省に残ることで、政府が掲げてきた府省庁の「縦割り打破」からは後退する可能性が出てきた。こども庁は、虐待など複雑化する課題に総合的に対処するため、複数の府省庁にまたがる政策を一本化する新組織。岸田首相は衆院選後の今月1日の記者会見で「創設に取り組む」と表明していた。法案提出に向け、内閣官房の検討チームが組織の構成や担当分野といった基本方針を、有識者会議が基本理念を、それぞれ年末までにまとめる。
創設しない方がまし?
さて、みなさんは、この記事の内容を知って、
どう思われましたか?
シマは、そんな中途半端な庁の創設なら、
しない方がいいとさえ思いました。
記事の中にあったように、
「こども庁は、虐待など複雑化する課題に総合的に対処するため、
複数の府省庁にまたがる政策を一本化する新組織」
なんです。
虐待などのなどには、
虐待のほかに、いじめ、こどもの貧困、
障害児などの問題などが含まれています。
これらの諸問題を解決していこうとするとき、
文科省が関わらないで、どんな解決が図られるのでしょうか?
こんなことをしていては、
今後、厚労省と文科省との壁がより高くなると思います。
首相交代の影響?
なんで、こんなことになったのか、
この衆院選直後のこのタイミングを見れば、
やはり首相交代が大きく影響したと考えるべきでしょう。
なぜなら岸田首相が省庁をまたぐ施策をやめたのですから。
結局は金?子どもはどうでもいい?
省庁をまたぐ施策は
各省庁の予算が削られます。
今回なら、こども庁のための予算は
文科省と厚労省からもらって
こども庁にいきます。
これはやっぱり文科省も厚労省も
いい顔をしないでしょう。
いつもお金の取り合いをしているのですから。
やっぱり未来よりも
目の前のお金なんだと感じてしまいました。
で、敢えて、こんな方針転換とも取れる
とんでもない発表をしたのかも分かりません。
単純に厚労省と文科省の利権に絡むことで、
折り合いがつかなかったのかな?とシマは予想しています。
で、本当にそうだとすると、
国は、子育てに関する、こどもに関する
諸問題を真剣に解決する気はない!
と思わざるを得ません。
シマのざっくりした捉え方では、
厚労省は「親」担当、
文科省は「こども」担当、
そして、内閣府は「地域」担当です。
こどもを真っ当に育んでいくためには、
この三者が、がっちりスクラム組んで
対応していくのが、一番だと思うのは、
シマだけではないと思います。
なので、何を外しても
厚労省と文科省の間にある高い壁を壊すこと
を外してはいけないと思っているのです。