覚えてますか?映画「はりぼて」
「はりぼて」という映画にまでなった、
5年前に富山市で起こり、
14人もの議員が次々にドミノ倒しのように
連続して起こった冗談のような辞職劇!
当時、日本全国の地方議会で
呆れた実態が次々と明らかになった中でも、
ダントツで、地方議会の闇が表ざたになった
富山にとっては大変恥ずかしい事件。
内容を今一度思い起こすと
本当に恥ずかしい事件です。
富山のためにも忘れてはいけませんし、
風化させてはいけないと思っています。
記憶することで再発を防止する
ことができると思います。
ぜひ今一度知ってもらいたいと思います。
ドミノ辞職を振り返る
今日は、約5年経ちましたが、
この事件を振り返り、その後、
どうなったのか語りたいと思います。
きっかけは、議員報酬引き上げ
きっかけは、5年前の春、
月60万円だった議員報酬を
10万円引き上げ70万円に
しようと議員が動き出したこと。
世間が不況であえいでいる中、
そんなことは関係ないとばかりに
この引き上げを進めようとしたことが、
大きな引き金でした。
今聞いてどう思いますか?
急に自分たちで給料をあげるなんて、
すごい話だとおもいませんか?
びっくりですよね。
市民の怒りもなんのその
そんな議員と議会に、市民は怒ります。
そんな市民が怒っている中、
市長は、地方自治法の規定に則り、
特別職報酬等審議会を設置し、
10万円の引き上げが妥当かどうかについて、
審議会の意見を聞くことにしました。
結論ありきの審議会?
その審議会のメンバーは、
公平な人を選ぶようにと
いくつか決まりがあります。
この時の委員には、
元議長などが任命されており、
それは、規定違反ではありませんが、
好ましくないと思われても仕方のない
公平とは言えない人選で、
結論ありきの形式的な審議会
と言われても仕方ない会に見えました。
しかも、実際の審議は2回行われましたが、
1回の審議時間はたったの約1時間半で、
しかもその10万円が妥当かを
判断する重要な立場に選ばれておきながら、
たった2回の会議を
2回とも欠席する委員もいたという中、
短い期間で、あっという間に、
妥当との答申を市長に示したのです。
議会は、速攻で可決
議会は、それを受け、
その年の6月15日の本会議で、
さっさと10万円引き上げを決めたのです。
ひどい話ですよね。
10万円上げるのが決まっていた
と言われても仕方ないです。
メディア魂に火が
その後、このひどい有様をみた
地元富山のチューリップテレビが、
「どうなっとるんや富山の議会は?」
ということで富山市議会議員の
お金の用途を調べ始めました。
政務活動費100%使用?
するとすぐに怪しいところを発見したのです。
きっかけは富山市議会の政務活動費が
常に100%使い切られていることでした。
そこを起点に市議会議員の政務活動費の
不正使用疑惑を執拗に追及、
カメラを持ち込んだ突撃取材が繰り広げられました。
それはそこまでするほど
怪しい内容だったからでもありますし、
すっきりしない返事を繰り返したからでもあります。
市民を味方につけた格好になったテレビ局は、
その勢いを加速させます。
情報開示請求で出てきた資料を基に
法的手続きをおこなって、
細かい内容を見ると出てくるでてくる
不正なお金の使いみちが。
具体的な不正は
実際に報告された数が収容できない公民館で
実際には開いていなかった市政報告会を開いたとか、
印刷された形跡のない市政報告パンフレットの
領収書が出てきたり、
市政報告会の際に支出してはいけない
飲食費が計上されていたり
と数々の不正の証拠やつじつまが合わないところが
たくさん出て来ました。
これらを武器に、臆することなく、
どんどん議員たちを追い込んで行った。
ついに、自民会派のドン陥落!
そして、当時、市議会自民会派のドン
と言われていた強面のベテラン議員が、
辞職直前に憔悴しきって身を隠し、
自殺するのではないかという
憶測まで飛び交う状態を経て、
酒を飲む金が欲しかった
「付き合いを大切にするため、お酒を飲む金が欲しかった」
とバカ正直に不正使用を認め議員辞職するに至った。
類似の手口で次々と
その大物議員の辞職を受け、
会派内で架空の領収書を作成する
などという類似の手口で、
ドンが捕まったら、
これは逃げられないと
不正使用をしていた議員が、
次々と辞職し、結果として、合計13人
(補選が決定してからもう一人辞職したので、実際は14名)
もの議員が辞職するに至った。
結果、欠員が大きくなりすぎたため、
補欠選挙をせざるを得ない状況に陥ったのです。
これが不正疑惑の中身ですね。
本当にひどい話です。
あっぱれ、チューリップテレビ
そしてこの事実を突き止めた
チューリップテレビは素晴らしい。
メディアの役割である、
権力のチェックをおこなっていて、
この取材能力にもおどろきました。
まだ、スッキリしていない!
しかし、まだ怪しい議員がいて、
その怪しさは晴れていないのが、
すっきりしない点でもあります。
すっきりしない議員とは
自民党の4期以上のベテラン議員の中で
議長を経験していない議員、
議長を若手に託し、身を潜めている議員です。
この春の選挙で当選したからと言って、
禊が済んだとせず、
堂々と疑いを晴らしてほしいところです。
この疑惑が払拭できていない議員は
今の富山の自民会派内でも、
疑惑の中の議員として扱われています。
この春の選挙で三期目となった
議員以降の新しく入った方は、
身のきれいな議員とされています。
怪しくスッキリしない議員とは?
四期以上の議長未経験議員が、
なぜ怪しいか。
ドミノ辞職事件後、不正疑獄刷新を託され、
議長という重責を任された村上議長が、
あろうことか不正を疑われ、
裁判沙汰になり(結局、一審では有罪)辞職。
その後、緊急登板の形になった横野議長も
すぐに疑惑が浮上し、速攻辞職。
綺麗な議員は誰もいないのかと感じる出来事でした。
その後、同じことが繰り返されないように
当たり前の真ん中ではありますが、
議長は疑惑の議員が選ばれないこととなりました。
こう決めること自体、
結局は疑わしいからなのだと思います。
これを聞いてどう思われますか?
市民の信頼回復に向けて
補欠選挙では、13人のうち、
自民党系の新人議員が5名当選しましたが、
残りの8名は、無所属3人、共産2人、維新2人、社民1人で、
自民会派は、大きく議席を減らしました。
ちなみに、シマは、無所属の3人の内の一人でした。
しかし、それでも、自民会派は、
一番大きな会派であることには変わりなく、
自民会派が中心となって、
市民のみなさんの信頼回復に向け動き出しました。
政務活動費については、
不正使用ができないような
世界一厳しい運用指針(ルール)を
作ったのは、立派だと思います。
人のうわさも75日?風化させてはいけない。
しかし、それよりも先にしなければならないことは、
まだ残っている不正使用疑惑を一掃すること。
それをすることなく現在に至っていることが大問題です。
人のうわさも75日を地でいっている感じで、
市民が忘れ去るのを待っている感じです。
それどころか、自民会派の不正から目を逸らさせるため
様々な少数会派に対する小さな疑惑を
次々に突っ込んでいるというのが実態です。
自分のことは棚に上げ、
弱い者の小さなミスを徹底的に責める。
そんな感じです。
補欠選後の次の年の選挙では、
期間が半年もなく、自民会派に対する逆風は、
まだ強かったですが、
それでも、補選後、富山市議会としては、
初めて自民党系の会派が二つに割れて、
新しくできた自民党新風会という4人会派が、
自民会派に吸収合併され、
過半数を超す大会派に戻りました。
そして、記憶に新しい、この春の選挙では、
自民会派だけで38名中24名を占める
超大会派に返り咲いています。
まだ、不正疑惑がきっちりと晴れていないのに!
議長になれないベテラン議員がいるのに!です。